法律で求められる非正規労働者の正社員転換措置と運用時の注意点について
正社員転換措置
パートタイム・有期雇用労働法では短時間労働者や有期契約労働者(以下、非正規労働者)に対し、通常の労働者(正社員)へ転換する措置を設けることを義務づけています。
具体的に、以下①~④のいずれかを実施することが必要です。
正社員転換措置は、会社が講じている措置の内容を、非正規労働者にあらかじめ周知することが求められます。
周知方法
実際に正社員を募集したり、社内公募したりする際の周知は、事業所内での掲示や資料の回覧、人事考課面談時での希望聴取などが考えられます。
正社員の採用が新規学卒者のみとなっているような会社では、応募できる人が限定されているため、正社員措置を講じているとはいえません。
また、正社員へ転換するための試験制度の措置を設けている場合、正社員への転換や受験する要件として、勤続期間や資格等を設けることがあります。事業所の実態に応じていれば問題ないものの、必要以上に厳しい要件を設けている場合、措置を講じているとは認められない場合もあります。
法律では、正社員転換措置を講ずることが義務であり、結果として正社員へ転換することまでは求めていません。しかし正社員転換措置への注目が高まり、その運用は重要性を増しています。周知のみで応募しにくい環境になっているなど、措置が形骸化していないか確認し、問題があれば是正しましょう。